取締役会設置会社 会計参与設置で監査役不要の理由

取締役会設置会社は、
監査役を置かなければなりません
(会社327条2項本文)。
(※ 委員会設置会社を除く)



しかし、
非公開会社(公開会社でない株式会社)では、
会計参与を設置すれば
監査役を置かなくてよいこととされています
(会社327条2項ただし書)。



コレは一体なぜなのか??



まず、
そもそもなぜ取締役会設置会社では
監査役を置かないといけないのか?
ということから考えますと、



取締役会の設置が義務付けられている
公開会社では、所有と経営が分離するので、
会社の実質的所有者である株主が、
常時取締役の業務執行に目を光らせ、
会計の適正に尽力することが
難しいことにあると考えられます。



また、
所有と経営の一致することの多い
非公開会社であっても、
取締役会を設置すれば、
株主総会の権限は法令・定款に定める事項に
ついて決議できると縮小され(会社295条2項)
取締役により構成される取締役会が大きな権限を
持つため、取締役に対する監視の必要性が高まる
からであると考えられます。



しかし、
非公開会社では株主構成は頻繁には
変わらず、株主が直接に業務監査を
することも可能です。



また、
監査役は、
既に作成された計算関係書類を監査する
会計監査権限を有しますが、
会計参与が会計の専門家として
取締役と共同して計算関係書類を作成する
のであれば、計算関係書類の適正性を
担保することが十分に期待できます。



以上のことから、
非公開会社では、
会計参与を設置すれば
監査役を置かなくてよいことと
されているのだと考えられます。


坂本龍治