立法は妥協

昨日(平成27年3月31日)、民法改正案が閣議決定され国会提出されました。
法務省HPには「民法の一部を改正する法律案」が掲載されています。



法律案の提出理由をみて驚きました。




諮問第88号を受けて正式に法改正へと動き出した訳ですが、
結局のところ民法は、
一般国民との距離を縮められなかった。
分かりやすさの追求は、諦めて先に進んできたってことですね。
改正案の条文目次をみると分かりますが、枝番多過ぎ!!
1044条という数字がますますまやかしになり、
むしろ国民との距離は遠のいたととの評価もし得ると思います。




理由
社会経済情勢の変化に鑑み、
消滅時効の期間の統一化等の時効に関する規定の整備、
法定利率を変動させる規定の新設、
保証人の保護を図るための保証債務に関する規定の整備、
定型約款に関する規定の新設等を行う必要がある。
これが、この法律案を提出する理由である。




諮問第88号
民事基本法典である民法のうち債権関係の規定について、同法
制定以来の社会・経済の変化への対応を図り、国民一般に分かり
やすいものとする等の観点から、国民の日常生活や経済活動にか
かわりの深い契約に関する規定を中心に見直しを行う必要がある
と思われるので、その要綱を示されたい。









立法は妥協。
立法家三ヶ月章先生の言葉が響きます。



坂本龍治

諮問第100号と「民法(相続関係)部会」

 諮問第100号と「民法(相続関係)部会」


法務大臣から新たに
民法(相続関係)の改正について(諮問第100号)」
が発せられました。


諮問第100号
  高齢化社会の進展や家族の在り方に関する国民意識の変化等の社会情勢に鑑み,配偶者の死亡により残された他方配偶者の生活への配慮等の観点から,相続に関する規律を見直す必要があると思われるので,その要綱を示されたい。


これを受けて、
新たに「民法(相続関係)部会」が設置されます。


法律は、どんどん変わる。
変わりますね。
債権法改正作業により、
今後民法に関する立法議論が展開されやすくなったと
言われています。
時代に取り残されないよう、
頑張って勉強していきましょう!


坂本龍治

平成27年2月19日民法改正の審議状況について

平成27年2月19日民法改正の審議状況について



御存知のとおり、
民法の大改正に向けた議論が法務省でなされていますが、
民法(債権関係)の改正に関する要綱案(案)」が
法務省から発表されました。
法務省HP http://www.moj.go.jp/content/001132328.pdf

この資料自体は、要綱案“(案)”ですが、
この資料に、
「所要の微修正を行ったものをもって、
民法(債権関係)の改正に関する要綱案」とすることが全会一致で決定された。」
とされていますので、
部会における審議は恐らくはこれにて終結
という話になるのだと思います。

今後は、
法制審議会の総会で、
部会で決定された要綱案をもとに、
要綱の決定がなされます。

これが法務大臣に答申され、
国会提出される流れになります。


いや〜。ようやくここまで来ましたね。
といった感じですね。
条文の体裁自体は、微調整が今後もなされるでしょうが、
改正内容自体はこれにてほぼ確定!
という段階に至ったわけですから、
身が引き締まる思いです。


無事に国会で法律が成立することを祈ります。


坂本龍治

民法改正に関する研修のご案内(会員向け)

通常国会が、1月26日に召集されることになりました。
会期は、6月24日までの150日間です。
この期間内に、民法(債権関係)の改正に関する法案が提出され、
成立する見通しです。



現在、法制審議会民法(債権関係)部会では、
1月20日(第98回会義)、1月27日(第99回会義)
の2回の会議をもって、
ペンディングとなっている「約款」を含め内容を確定させ、
要綱案の決定をするはずです。
その後、法制審議会総会の決定を経て、
法務大臣へ答申し、通常国会にて法案が提出される、
という流れになります。



私が所属する東京司法書士民法改正対策委員会では、
登記手続を中心として、
改正が司法書士の業務に及ぼす影響につき
会員への情報提供に向けた研究活動を継続してきました。
2月に、ようやく研修会を開催することとなり、
現在、申込受付中です。
既に100名を超える申し込みがあるようですので、
興味のある会員の方はお早目にお申し込みください。



1.テーマ:「民法(債権関係)の改正に関する要綱仮案」と司法書士の業務
〜登記手続を中心として〜
1.開催日時:平成27年2月19日(木)午後6時〜午後8時45分
1.場所:司法書士会館地下1階「日司連ホール」
1.講師:民法改正対策委員会委員
1.定員:250名
1.申込締切日:平成26年2月6日(金)午後5時
(詳しくは会員向け研修情報をご確認ください)



坂本龍治

2015年も!

新年明けましておめでとうございます。
もう5日となってしまいました。

今日から仕事という人も多いかと思います。

年末、お正月と、なかなか思っていたとおり勉強が捗らなかった
という受験生もいると思いますが、
過ぎてしまった事は仕方ありません。
今日から切り替えていきましょう!!

私は今年も、
民法改正と、要件事実・事実認定の理解を深め、
受験生に分かりやすくお届けできるよう勉強を重ねていきたいと
思っております。


民法改正は今年の通常国会に提出することが予定されていますから、
司法書士試験にはまだ出題されないものの、
意識せざるを得ないところまで来ていると思います。
事実、民法改正の部会委員が数名、司法書士試験委員になっております。
昨年は9月に
民法改正」の議論を通して現行民法を深く理解する講座
という講義を実施致しました。
今年も最新情報をお届けできるよう制作していきたいと思います。


そして、要件事実・事実認定は、
司法書士試験合格後に、認定考査の勉強として
これはもう避けては通れないものになってきますから、
今年、司法書士試験に受かった先に勉強していきましょう!



暮れ、お正月は妻の実家がある北海道にて
過ごしておりました。

(苫小牧総鎮守 樽前山神社)


良い1年となるよう、
健康に気をつけながら、
頑張っていきましょう!!


坂本龍治

命の吹き込まれた言葉

今年の合格祝賀会で、
蛭町講師が朗読された「医学を選んだ君に問う」が、
胸に突き刺さって早1月。


前金沢大学医学部附属病院長の河崎一夫先生が、
医学生へ向けて書かれた言葉が、
法律家にも「耳に痛すぎる」、
ということで紹介されたものだったのですが。


どうしても頭から離れないのです。
原文を調べて読んでみるとなおさら。


命の吹き込まれた文章が、
命の吹き込まれた朗読によって届けられたときの
強烈すぎる体験は、
恐らく一生忘れないと思います。


私もこんな風に生きたいのだと、
そう思うからだと思います。


「医学を選んだ君に問う」、
で検索にかかります。
興味のある方は、見てみてください。



坂本龍治