2 平成23年改正からみる法改正の構造〜溶込み方式〜


2 溶込み方式





民法等の一部を改正する法律」は、
民法」という法律を改正するために作られましたが、
これはこれでひとつの立派な“法律”です。






平成23年法律第61号、
という独自の法令番号も振られています。






一部改正法も、通常の法律同様、
「本則」と「附則」から成り立っています。






「本則」には、
改正の対象となる法律の本則等の内容に
新しい内容を追加したり、
既存の内容を改めたり、
削除したりする条文がおかれます。






「附則」には、
施行期日や経過措置規定がおかれます。






一部改正法の最大のポイントは、
施行されると、
「本則」は対象となる法律に溶込んで消えていく






ということです。










今回であれば、
民法等の一部を改正する法律」の「本則」は、
民法」という法律に溶込み消えていく、





ということになります。






こうした方式のことを、“溶込み方式”と呼びます。
(なお、「“民法等”の一部を改正する法律」ですから、
 「民法」以外の法律にも溶込みます。)






「附則」はというと、
施行期日や経過措置がわかるように、
対象とされた法律の附則に付け加えられます。






今回であれば、
民法」の附則に、
民法等の一部を改正する法律」の「附則」が
付け加えられる、ということになります。






民法1044条の後を引いてみてください。
附則に、これまでの一部改正法の附則が載っています。





坂本龍治