上空3800m。


左の窓越しに見える真っ白な富士山に目を奪われた。




札幌に向かう飛行機は、
左窓際の席が特等席で、
朝日を浴びた東京を一望でき、
その先には富士の山が悠然とそびえる。




空から見れば、
その昔、江戸の時代には東京から富士山をのぞめたことが良くわかる。




今日は残念ながら、右側の席。
左窓際に座る女の子に不思議がられながら、富士山だけは何とか見ることが出来た。











今朝の機内でのテーマは『才能』について。




長い間テーマにしてきた
『才能とは何か?』
という問いに対する今のところの答えはこうだ。




ひとつは、
努力をする事にストレスを感じないこと。




そしてもうひとつは、
考えずとも、理想の形を自然と追求出来ること。







普通、
何かに一生懸命になれば、
それだけエネルギーを使い、
ストレスがかかる。
つまりは、




疲れる。




疲れれば人間、一生懸命の状態から脱してしまう。




才能のある人間は、
エネルギーを使っていながら、
かかるストレスが少ない。
その分、一生懸命の状態を人よりも長く継続出来る。
それゆえ技術は向上してゆく。
成長速度が早い。




トップアスリートの殆どは、
人一倍努力している。
浅田真央は、どの選手よりもリンクで過ごす時間が長いらしい。
イチローは、誰よりも早くグランド入りすると聞いた事がある。
人一倍の努力。
それゆえのトップアスリート。




努力もせず高い技術を身につける事が出来るのなら、
それは天才と呼ばれる部類になる。




才能があっても、
普通は努力をして頂点に登り詰める。




しかも人一倍の努力。




なぜ人一倍努力できてしまうのかというと、
使うエネルギーに比してかかるストレスが少ないから。
これが才能がある、という事のひとつ目の条件。













そしてもうひとつの条件が、
考えずとも、理想の形を自然と追求出来るということ。




時間をかけて一生懸命取り組んでも、一生懸命の方向がズレていては結果は出ない。
技術は向上しない。
それどころか、変な癖がつきコリ固まってしまうと、それを修正するのは難しくなっていく。




努力は時間をかければいいというものではない。




自分の課題を洗い出し、
克服のための方向性を定め、
その上で努力しなければ、
確実な技術向上は見込めない。




演技を終えた浅田はよく、
『次までに課題を克服して・・・』
という事を口にする。




理想の形に少しでも近づくためには今何をすべきか?という事を、ごく自然と意識出来ている。
無意識のレベルですら、理想のカタチの追求が行われていると思える。




自然と理想のカタチを追求出来る結果、努力が結果に結びつきやすく、人よりも早く成長する。




これが才能がある、という事のふたつ目の条件。









私には、人に誇れるような才能は無い。例えば勉強もそう。
一生懸命になればストレスがかかるし、
意識して考えなければ、理想のカタチの追求はされない。




だからこそ、
才能がないからこそ、
私は人一倍発生したストレスを外に流す事を意識したし、
一生懸命向かうべき方向性を考えた。
その上で、人一倍の努力をしたからこそ、試験に合格出来たと思う。




才能の無い私が、
何も意識せず、何も考えもせず、ただただ一生懸命やるだけでは結果が出ない。
コレは司法試験に合格しなかった事で痛感している。
  



でも逆に、
人一倍意識し、考えた事で、
才能のある人間に並べること、あるいは超えられる事を司法書士試験で確信した。




才能が無くとも、
才能のある人間を追い越す事は出来る。




誰だって、努力の天才にはなれるのだから。
















海を覆う空一面の雲は、
太陽に照らされて眩しいほどに輝く。
空の絨毯の下へ降りれば、
マイナス六度の世界らしい。
雪の絨毯、
気持ちいい寒さが出迎えてくれるだろう。




おしっ!
明日の講義も頑張ろう。



坂本龍治