2 条文から見る23年改正のポイント 15歳未満の者を養子とする縁組


2 15歳未満の者を養子とする縁組





15歳未満の者を養子とする縁組については
改正前民法第797条は以下のように規定していました。




(十五歳未満の者を養子とする縁組)
第七百九十七条  養子となる者が十五歳未満であるときは、
            その法定代理人が、これに代わって、
            縁組の承諾をすることができる。
          2  法定代理人が前項の承諾をするには、
            養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが
            他にあるときは、その同意を得なければならない。





当該規定の第2項に、後段として
次の文言が新たに付け加えられました。





「養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。」




ポイントは、
条文そのままですが、
親権を停止されている父母に、
15歳未満のわが子を養子に出す際
縁組についての同意権を付与した、
という点です。




親権「停止」の場合「喪失」の場合と違って、
停止期間が経過すれば親権は回復しますが、




親権「停止」期間中に
父母の同意なく養子縁組することを許すと、
父母の親権回復の期待を裏切ることになります。
だって、養子縁組が成立すれば父母は親権を失い
親権は養親に移るからです。




そこで、第2項後段として
上記文言が新たに付け加えられました。




なお、
言うまでもないことかも知れませんが、
親権を「喪失」してしまった父母には
同意権がありませんのでご注意を!





坂本龍治