20 民法改正・基本の「ほ」 〜任意規定と異なる意思表示 第91条〜


任意規定と異なる意思表示 第91条



現行民法は91条で、
任意規定に反する内容の意思表示は、
その意思表示通りの効力があることを定めています。



任意規定と異なる意思表示)
第九十一条  
法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と
異なる意思を表示したときは、その意思に従う。





しかし、この条文からは、
原則と例外が必ずしもはっきりとしません。





つまり、
原則として、法令と異なる意思表示は効力を有しないが、
例外として、任意規定に関することであれば、異なる意思表示でも効力を有するのか、




それとも、
原則として、法令と異なる意思表示でも効力を有するが、
例外として、任意規定以外に関することであれば、その効力を有しないのか、





原則と例外の関係が必ずしもはっきりとしません。





そこで、
私的自治の原則から、
法律行為の領域においては原則として
意思表示が優先することを明確にするため





原則として、意思表示が法令の規定に優先する、





とした上で、
その法令の規定が公序良俗に関するもの(強行規定
であるときは例外的に意思表示が無効となることを
条文上明記する方向で、ほぼ固まっています。




参考 「部会資料27」8貢
http://www.moj.go.jp/content/000077664.pdf



坂本龍治