17 民法改正・基本の「ほ」 〜改正に続く改正がある〜
改正に続く改正がある
今回の改正の対象は、
民法の「債権関係の規定」のうち、
「契約に関する規定を中心に」
とされています。
「債権関係の規定」とされていますから、
債権に関係の深い分野である
第1編総則の
(第5章)法律行為
(第6章)期間の計算
(第7章)時効 <※ このうち消滅時効>
も改正の対象とされています。
100年ぶり大改正を
あと2年3年かけて成功させれば、
それで民法典は落ち着き、
以後当分の間民法改正はなされないのでしょうか?。。。
というと、残念。
どうもそういうわけにはいかないようです。
上記のとおり、
今回の改正は、民法典の中の一部、
契約法に関する分野の改正に過ぎません。
契約法の分野が改正されれば、
これに伴い他の分野も連鎖的に改正を要する
状態が出現されます。
たとえば、
消滅時効を改正すれば、
取得時効に影響を与え、
これ(取得時効)を改正すれば、
今度は物権にも影響を与える。
たとえば、
債権のうち、「契約」を改正すれば、
契約責任と密接な関係を有する
不法行為責任に影響を与える。
民法典の編纂を抜本的に見直し、
条文の配列をいじくれば、
「切り取り」⇒「貼り付け」
で終わるわけがないので、
トータルでの見直しが必要となる。
改正がうまくいけば、
失敗を繰り返している家族法の改正が
加速する。
とまぁ。
こんな具合に、
連鎖的な改正が予想されるわけであります。
既に、
民法改正研究会(代表:加藤雅信上智大学教授)は
もっとも積極的に、総則や物権の分野を
トータルで改正するようその案を出しています。
でも、
私たち司法書士にとって最大の関心事である
根抵当権については、
だ〜〜〜れも改正の案を出してないようです。
坂本龍治