16 民法改正・基本の「ほ」 〜学者主導の改正作業?〜


学者主導の改正作業?





今回の債権法改正において事実上
土台となっているのが
民法(債権法)改正検討委員会の案です。





民法(債権法)改正検討委員会は、
わが国を代表する学者を中心に組織された
(建前としては)“私的団体”ですが、





改正の基本方針を作成すること
(つまり審議のたたき台を作成すること)
を目的に組織された上、





民事局参事官や官房審議官、
内田貴法務省参与といった
国側の人間を巻き込んで構成されており、





純粋な私的団体とは言い難いものとなっていました。





また、
実際のところ
2009年11月に実施された
部会の第1回会議の際には、





民法(債権法)改正検討委員会の改正案が
机上に配布されており、





両組織を兼任するメンバーが
10数名いることも考え合わせると





実質的に民法(債権法)改正検討委員会の
案の方向に
民法(債権法)部会の議論結果が向かう他ない
という感が否めないのは確かなのです。










ちなみに、
民法(債権法)改正検討委員会は
鎌田薫早稲田大学教授を代表とする団体ですが、





このほか、有力な改正案を提示した主な会としては
民法改正研究会 (代表)加藤雅信上智大学教授 
時効研究会   (代表)金山直樹慶応大学教授





とがあります。



坂本龍治