誰も教えてくれなかった法令の基礎 「項」

弓は使うときには引き絞るが
使わぬ時には緩めておくもの



いつも入れ込んでいては疲れてしまいます。



「項」




法文は、法令の基本構成単位である
「条」によって整理されます。



また、ひとつの条の中に入れるべき文を
さらに整理する必要がある場合、「項」が使われます。



たとえば、
虚偽表示について規定した民法94条は、
1:相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効であること。
2:虚偽の意思表示の無効は、善意の第三者に対抗できないこと。
を規定していますが、



ひとつの文として繋げるのではなく、
1:虚偽の意思表示をした当事者間の問題と、
2:善意の第三者との関係とを、
「項」を用いることによって整理しています。



(虚偽表示)
第九十四条 相手方と通じてした虚偽の意思表示は、無効とする。
    2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者
     対抗することができない。



項番号は第2項以下に算用数字で
2、3、4、とふられていきます。
第1項には、項番号が付かないのが
正式なんですね。



でも、普段使用している六法には便宜上、
第1項にも「1」とふられていることがありますし、
また、算用数字で「2、3、4」とふるのではなく
丸で数字を囲った記号で項番号をふっているものも
結構ありますね。



坂本龍治