誰も教えてくれなかった法令の基礎 「条」

こんな法文は嫌だ!



法文がワンピース
(ひとつなぎになってる)



もしも法文が
ひとつなぎになっていて、
改行だけで整理されているのだとしたら。。。



 占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持
することによって取得する。
 占有権は、代理人によって取得することができる。
 占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。



って。
読みづら〜!!!



こんな法文嫌ですね、
探しづらいし。



法文が家訓調



ひとつ!占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持
    することによって取得する。
ひとつ!占有権は、代理人によって取得することができる。
ひとつ!占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。



って。
なんか命令っぽくて嫌ですね。
やっぱし探しづらいし。



だから法文は
“条”に区分され
条名がふられている
のです。







『条』



条が法令の基本構成単位です。



条には、
前回説明した『見出し』の他、
『条名』がつけられます。
条文の始まる直前に付けられている
第百八十条
第百八十一条
第百八十二条

というのが条名です。
これにより、
検索性が飛躍的に向上します。



(占有権の取得)
第百八十条  占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持
 することによって取得する。
(代理占有)
第百八十一条  占有権は、代理人によって取得することができる。
(現実の引渡し及び簡易の引渡し)
第百八十二条  占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。



法文が条によって整理され
条名が付けられてて、
ホントに良かった(^^)



ちなみに、
根抵当権のように、
条名が枝番号でふられているもの
ありますが、
これは改正により追加された条に、便宜上
(条を追加することでそれに続く条名が
 ドミノ倒し的にズレるのを防止するという便宜)

条名を枝番号でふったのであって、
枝番号でふられた条は、
直前の条の一部というわけではありません

お間違えなく!



坂本龍治