誰も教えてくれなかった法令の基礎 「見出し」(前半)

勉強において大切なことは
「記憶すること」ではなく
「記憶した知識をどう使うか」です。





見出し




条文がはじまる前には
括弧書きで「見出し」が付けられています。



民法177条であれば、
(不動産に関する物権の変動の対抗要件
ということが条文のはじまる前に書かれています。
これが見出しです。



見出しは、
条文の内容を一言で簡潔に表しているもの
です。
要するにこの条文は何について規定しているのか?
ということが、見出しを見ることでわかります

民法177条は、まさに
不動産に関する物権の変動の対抗要件について
規定していますよね。



条文を読むのがへたくそな人というのは
この見出しをすっ飛ばして条文の中身だけを
読んでいるように思います。
テキストや解説に挙げられている条文を
ひいたとき、いきなりその中身だけを読んでしまう。



だから、条文の言わんとしていることが
分かったような、分かんないような、
いまいちピンと来ない状態で終わってしまうのです。
一体この条文は何をいいたいんだろう?
この条文のキモは?
ということを意識せず、何となく条文全体の
文字面追って、読んだ気になってしまう。



要するに何について規定しているのかを、
一言で簡潔に表している見出しを
すっ飛ばすのはナンセンスです。
見出しでその条文のキモを掴んだうえで
具体的な中身を確認する、というのが
上手い条文の読み方です。


 つづく


坂本龍治