6 平成23年改正からみる法改正の構造〜「民法等の一部を改正する法律」の附則〜

6 平成23年改正からみる法改正の構造



附則には、
施行期日や経過措置規定がおかれます。
ざっくりと、
民法等の一部を改正する法律の附則を見てみましょう。









附則
(施行期日)
第一条この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において
政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。
ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。




・・・省略・・・




民法の一部改正に伴う経過措置の原則)
第二条第一条の規定による改正後の民法(次条において「新法」という。)
の規定は、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。
ただし、第一条の規定による改正前の民法(次条において「旧法」という。)
の規定により生じた効力を妨げない。




(親権及び管理権の喪失の宣告に関する経過措置)
第三条旧法第八百三十四条の規定による親権の喪失の宣告は
新法第八百三十四条本文の規定による親権喪失の審判と、
当該親権の喪失の宣告を受けた父又は母は当該親権喪失の
審判を受けた父又は母とみなす。





・・・省略・・・
児童福祉法の一部改正に伴う経過措置)
第四条・・・省略・・・
(調整規定)
第五条・・・省略・・・







とまぁ、こんな具合です。






たとえば、
今年の3月1日から、
現行民法の834条を根拠とする
親権喪失に関する事件が
家庭裁判所で審理され始めたとします。
その後、
4月1日を超えた本日、4月6日に
親権喪失の宣告がなされました。
このとき、
その親権喪失の宣告に何らの疑義も生じないよう、
上記赤く記した経過措置規定が置かれているのです。






こうした経過措置の規定は、
施行日に関する規定と共に、
民法」の附則に付け足されます。






全6回にわたってお送りした
法改正の構造ですが、
“溶け込み方式”であること
がもっとも理解しておきたいことです。
以上!



それでは本日も頑張って仕事しましょ〜!



坂本龍治