8 民法改正・基本の「ほ」 〜「社会・経済の変化への対応を図」るの意味〜

「社会・経済の変化への対応を図」るの意味





改正の大きな目的は2つ。





1 「社会・経済の変化への対応を図」ること





2 「国民一般に分かりやすいものとする」こと








今回は
「社会・経済の変化への対応を図」る
の意味について突っ込んでみます。





これは私が説明するよりも、
法制審議会の幹事を務められている
原優さん(法務省民事局長)の
話を引っ張ってくるのが分かり易いので、
言葉をそのままお借りします。








民法のうち第1編から第3編までの財産法部分は,
 明治29年に制定された後,
 ほとんどの規定が制定当時のまま
 改正されていないという状態が続いておりましたが,




 比較的最近になりまして
 重要な改正が行われてまいりました。




 すなわち,
 第1編総則につきましては,




 平成11年に成年後見制度の見直しによる改正が,また,




 平成18年に法人制度改革に伴う改正が行われました。




 第2編物権につきましても,
 平成15年に担保・執行法制の
 見直しによる改正が行われました。







 これらに対しまして,
 第3編債権につきましては,





 平成16年に第1編及び第2編とともに
 条文表現を現代語化した際に
 保証制度に関する部分的な見直し
 が行われたほかは,
 これまで全般的な見直しが行われることなく,





 おおむね明治29年の制定当時のまま現在に至っております。






 しかしながら,
 この間に我が国の社会・経済情勢は,




 通信手段や輸送手段が高度に発達し,




 市場のグローバル化が進展したことなど,




 様々な面において著しく変化しており,
 現在の国民生活の様相は,
 民法の制定当時とは大きく異なっております。






 民法は国民生活の
 最も重要な基本法典でありますので,
 債権関係の規定につきましても,
 この変化に対応させる必要があります。






 そして,
 その中でも特に契約に関する規定につきましては,
 国民の日常生活や経済活動に
 かかわりの深いものでありますので,
 早急な対応が求められているものと思います。」




ということなんですね〜。





(参照 法制審議会 第160回 議事録)
http://www.moj.go.jp/content/000005081.pdf






坂本龍治