7  民法改正・基本の「ほ」  〜改正の目的・改正の範囲〜

改正の目的・改正の範囲



2009年にクラス法務省を担任していた
千葉景子先生が出した宿題はこうです。




「民事基本法典である民法のうち
 債権関係の規定について、



 同法制定以来の社会・経済の変化への対応を図り、



 国民一般に分かりやすいものとする等の観点から、



 国民の日常生活や経済活動にかかわりの深い
 契約に関する規定を中心に



 見直しを行う必要があると思われるので、
 その要綱を示されたい。」
 
 (法務大臣諮問第88号)








ここから見てとれる改正を求める大きな目的は2つ。




1 「社会・経済の変化への対応を図」ること




2 「国民一般に分かりやすいものとする」こと





そして、改正の対象は、
民法の「債権関係の規定」のうち、
「契約に関する規定を中心に」
とされています。





債権の発生原因には、


  「契約」
  「事務管理
  「不当利得」
  「不法行為


とありましたけれど、
このうち契約に関する規定に
マトを絞って改正対象としています。



ただし!
「債権関係の規定」とされていますから、
債権に関係の深い分野も
改正の対象になっていることに
注意が必要です。




具体的には、
第1編総則におかれている




(第5章)法律行為
(第6章)期間の計算
(第7章)時効




も改正の対象に含まれています。
ただし、時効については、
今回は消滅時効のみ対象のようです。



坂本龍治