記述式の学習プロセス Vol.7 解法手順を考える

自分の知識と問題文と向き合う



早速昨日のつづきから。
具体例を出して説明します。



たとえば、
・a㈱がA㈱に商号変更した
・A㈱がB㈱との間で合併契約を締結した
・A㈱は甲土地に根抵当権を設定している



という事実が出てきた場合、
どのような順序で思考すべきか?
というのを、考えるんです。



私なら、次の順序で思考します。



1:A㈱とB㈱、消滅するのはどちらか?


2:A㈱が消滅会社の本問では、
  B㈱にA㈱の財産が承継されるな。


3:当然、
  根抵当権の被担保債権も承継され、
  根抵当権もそれにくっついてB㈱に移転する。


4:合併を原因とした根抵当権
  移転登記を申請する必要があるが、
  前提として必要となる登記はないか?

  
  あった。
  商号変更がなされていて、
  不動産登記簿上の名称が
  現在のそれとは違うから、
  まず商号変更の登記が必要だな。


5:まてよ。
  名変登記を省略できる場合に…
  うん。
  あたらない。


とこんな感じで思考していきます。
知識の使い方がわかっていないと、
断片的な知識で問題を解こうと
してしまいますから、
思考順序がムチャクチャで、
無駄が多く、
試験のひっかけに容易くひっかかる…
ということになってしまいます。
ですから、今自分が持っている知識が
断片的なものだとして、
どの順番で考えていけばミスなく
無駄なく解けるのかを考え、
使える知識にしていくんです。


そして、
解法手順を考えるのに
多くの場合、新しい知識は必要ありません
自分が既に持っている知識と問題文
この2つと向き合えばそれで足ります

解説を読まずとも、
解法手順は考えることができます。



Vol.1で述べましたが、
知識を補充することよりも、
知識の使い方を知る、
ということが大切なんです。



ですから、
私の場合、解説をじっくりと読む時間よりも、
自分のもっている知識と
問題文と向き合う時間の方が
圧倒的に長かったんです。


つづく